糖尿病内科

糖尿病について

糖尿病の方は年々増加しています

日本人の平均寿命は年々延びており、日本の豊かさや医療水準の高さを知らしめる結果となっています。
しかし、生活が豊かであるが故に、糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病を発症する患者様も増えてきているようです。
厚生労働省の統計に依りますと、2014年の糖尿病患者数は、前回調査(2011年)から46万6,000人増えて、過去最多の316万6,000人になったとのことです。
現在、日本では40歳以上の成人の3人に1人は糖尿病、ないしは糖尿病の予備軍であるといわれています。
糖尿病は、年齢が50歳を超えると増えはじめ、70歳以上では男性の4人に1人、女性の6人に1人の方が糖尿病を発症すると考えられております。
糖尿病は、軽症の間ははっきりとした症状が出ない病気であるため、定期的に健康診断や人間ドックを受けて、早期発見することが大切です。

糖尿病は初期症状が分かりにくい病気です

下記の項目で複数思い当たることがあれば、糖尿病の可能性があります。気になる方はお早めにご相談ください。

  • よく喉が渇く
  • 頻尿(おしっこの回数が多い)、また量が多い
  • 尿のにおいが気になる
  • 全身がだるく、疲れやすい
  • 手足がしびれる
  • 視力が低下してきた
  • 食べているのに痩せていく
  • こむらがえりしやすい、よく足がつる

糖尿病の原因

糖尿病の原因の多くは、血糖値をコントロールする「インスリン」が関係していると考えられています。通常であれば、インスリンは血圧を下げる作用がありますが、インスリンの分泌量が減ったり機能が低下したりすると、高血糖状態が続いてしまうのです。
生活習慣が原因の多くを占める2型糖尿病とは異なり、1型糖尿病の場合は、インスリンを分泌するためのβ細胞が壊されてしまっています。発症の半数は20歳以下と言われていますが、原因については、明らかにされていません。

1型糖尿病

1型糖尿病の原因は、自己免疫の異常や細菌・ウイルスの感染です。免疫反応がすい臓のβ細胞を誤って攻撃し、インスリンを分泌する機能自体を破壊してしまうのです。また、原因がわからず、突発的に糖尿病を発症する場合もあります。
1型糖尿病の場合は、インスリンの分泌ができません。主な治療はインスリン療法であり、自己注射で体内に直接インスリンを取り込みます。若い方の突発的な発症が多いですが、高齢者の方でも発症します。

発症から数日で血糖値が急激に上昇するケースもあります。

一般的に、発症当初は食事療法や運動療法で血糖値をコントロールすることが可能ですが、発症後数日で血糖値が上昇してしまう「劇症1型糖尿病」の場合があります。特に、下記の方は劇症1型糖尿病になる可能性があります。

  • 20歳以上の方
  • 発症直前に風邪(発熱)の症状があった方
  • 妊娠して発症した方
  • すい臓の自己免疫抗体がみられない方

2型糖尿病

2型糖尿病の原因は、多くが生活習慣にあると言われております。偏食や肥満、運動不足などで、肝臓や筋肉に脂肪が蓄積します。インスリンの働きが低下すると、血液中のブドウ糖が増加し、血糖値の上昇が続くと糖尿病を発症するのです。
初期であれば、高血糖状態に反応して、すい臓はインスリンの分泌を促進します。しかし、やがて分泌自体が難しくなると高血糖が続き、糖尿病がさらに悪化します。

糖尿病は、合併症を併発しやすい病気です

糖尿病で特に恐ろしいのは、発症や進行に伴う「合併症」のリスクです。合併症として特に多いのは、動脈硬化・網膜症・腎症・神経症です。悪化すると日常生活の支障を始め、命を落とす危険もあります。糖尿病を長期間にわたって放置するのではなく、早期発見・早期治療で改善を目指すことが大切です。

動脈硬化

糖尿病により動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞をリスクを高めます。多発性脳梗塞やラクナ梗塞など、小さな脳梗塞には特に注意が必要です。自覚症状がほとんど無く、徐々に進行して悪化する可能性があります。

網膜症

失明の原因として多いのが糖尿病によるものです。網膜症を発症すると眼底から出血し、悪化すると失明に繋がります。1年に1回は眼底検査を受けましょう。
「視力が急に落ちた」などの場合は、必ず眼底検査を早急に受診してください。

神経症

糖尿病を起因とする動脈硬化や細小血管障害により、末端神経や自律神経に異常が生じる恐れがあります。症状は主に痛みやしびれ、感覚障害、血管や胃腸の機能低下などです。足の血流低下により、最悪の場合は切断する必要もあります。

腎症

特に注意

糖尿病性腎症は、末期になると「腎不全」という血液中の余分な老廃物や水分を、尿として体外に排泄する機能が廃絶した状態に至ってしまい、全身にむくみが出てきます。
さらに放置すると、血液を全身に循環させる心臓に、水分の過剰な負荷がかかってくるため、「心不全」といわれる状態になり、最終的には死亡の原因となります。

合併症を防ぐためにも、早期の治療が大切です

糖尿病の合併症の多くは、良好な血糖コントロールを維持していくことで予防・改善が可能です。そのためにも、なるべく早くご自身が糖尿病の状態であるということを発見し、そして糖尿病(疑い)と指摘されたら、迷うこと無く速やかに専門医の診察を受けるということが、合併症を発症しないためにも大切です。

糖尿病の治療について

糖尿病の治療は日進月歩であるといわれておりますが、糖尿病を完治させる治療法というものはまだ開発されておりません。しかし、新しい糖尿病治療薬は毎年のように発売されており、患者様には苦痛が少なく治療を受けていただける環境は整いつつあると感じております。
現在服用されているお薬でなかなか血糖値が下がって行かないと感じておられる際にはぜひ一度ご相談をいただければと思います。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療では、主に下記の治療方法で対応いたします。

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

当院では、単なる治療を行うだけではなく、様々な指導や適切な処置も対応しております。

治療のみではなく、
各種指導・フットケアも行っています

当クリニックでは、来院された糖尿病患者様に対して、正しい知識を身につけていただくべく管理栄養士による食事療法の指導と、糖尿病療養指導士(CDEJ)の資格を持った理学療法士による運動療法の指導を十分にさせていただき、患者様の日々の治療の実践を積極的にサポートさせていただくと共に、患者様一人ひとりが糖尿病の自己管理能力を高めていただけるようにしていただきたいと考えます。