各種指導・フットケア

専門資格を持つスタッフがサポートいたします

当クリニックでは、糖尿病の治療の一環として、「管理栄養士による食事療法の指導」や、
「糖尿病療養指導士(CDEJ)の資格を持った理学療法士による運動療法」など、
専門資格のあるスタッフによる指導を行わせていただきます。
また、指導のほか「専門資格を持ったスタッフによるフットケア」も行っており、患者様の治療を多方面よりサポートいたします。
正しい知識を患者様ご自身にも、ご理解いただくことで、
患者様一人ひとりが糖尿病の自己管理能力を高めていただけるようにしていただきたいと考えます。

栄養指導について

栄養指導を行う食事療法のための3つのステップ

1

適切なエネルギー摂取量(食事の適切な量)を知る

2

エネルギー摂取量を基に栄養素の構成を考え、バランスのよい食事を実践する

3

治療経過に応じて、エネルギー摂取量や栄養素の配分を評価し、継続のための工夫をしていく

食事療法を行う前には、患者様の年齢や肥満度、高血圧症や脂質異常症の有無、食事の好みなど様々な情報を参考にします。その上で、1日に必要なエネルギー摂取量に応じた食事内容を提案し、実践をサポートしてまいります。 

適切なエネルギー摂取量を知る

  • Step01
    自分の標準体重を求める

    65歳未満:身長(m)×身長(m)×22
    前期高齢者(65歳~74歳):身長(m)×身長(m)×22~25
    後期高齢者(75歳以上):身長(m)×身長(m)×22~25

  • Step02
    自分の身体活動量を求める

    身体活動量(kcal/kg 標準体重)とは、体を動かすために必要なエネルギー量のことを指します。

    <身体活動量の目安>

    軽作業(デスクワークが多い職業など) 25~30kcal/kg 標準体重
    普通の労作(立ち仕事が多い職業など) 30~35kcal/kg 標準体重
    重い労作(力仕事が多い職業など)   35~ kcal/kg 標準体重

  • Step03
    エネルギー摂取量を求める

    エネルギー摂取量=標準(目標)体重×身体活動量

エネルギー摂取量に合わせた食事をする

食事療法では1日に必要なエネルギー摂取量を明らかにし、その範囲内で栄養バランスの良い食事(食品の種類等)をめざしましょう。
1日3食を基本に、炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスも考慮した食事が大切です。また、早朝の高血糖を防ぐためにも、前日夜9時以降の食事はなるべく控えましょう。

食事療法の実践

1日に必要なエネルギー摂取量として、炭水化物は摂取量全体の40~60%、たんぱく質が20%、残りを脂質で補うことが日本糖尿病学会が提言する食事療法のモデルです。
しかし、脂質が摂取量の25%を超える場合は、マーガリンやスナック菓子などに多く含まれる、トランス脂肪酸は控えましょう。代わりに、青魚に多いDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、多価不飽和脂肪酸の積極的な摂取がお勧めです。

食事療法の評価

食事療法では、下記の点に注意して効果を都度評価することで、エネルギー摂取量や栄養素のバランス設定が適正か判断したり、より適切な食生活のアドバイスを行えるように心掛けております。

  • 体重の増減
  • 血糖コントロール状態(血糖値、HbA1c、尿糖など)
  • 生活習慣(食事の回数、飲酒量、間食の有無・内容、身体活動量)
  • 生活背景(生活環境、調理者など)

患者様のライフスタイルに合わせたアドバイスに配慮しておりますので、気になることや、ご不明な点などございましたら、お気軽に医師やスタッフにご相談ください。

当院の食事指導

糖尿病に効果的なメニューを学べる
料理教室を行っております

当院の2階には、キッチンをご用意しており、管理栄養士が患者様に糖尿病に効果的な療食を指導するグループレッスンを定期的に開催しております。
外部よりゲストをお招きすることもあるため、療食メニューだけではなく、糖尿病の方が摂った方が良い栄養素など詳細な知識を得ることも可能です。

【料理教室について】

  • 定員:10~15名
    (あまりに少数でない限り、定員に達さない場合も開催いたします。)
  • 別途参加費が必要

※事前にお電話でのご予約が必須です。

詳細につきましては、受付までお問い合わせください。

運動指導について

糖尿病の改善や予防を目指すには、血糖値の適切な管理が必要です。また、栄養バランスの整った食事や、適度な運動習慣も大切です。
2型糖尿病の発症リスクは、20歳時点と生涯におけるBMIの最大値との差が関係していると言われています。
当クリニックでは、患者様に合わせた運動指導を行っております。無理のない適度な運動を通じて、糖尿病の影響を受けにくい体づくりを一緒に目指しましょう。

ご自宅での主な運動メニュー

筋力トレーニング

筋力アップが血糖値の上昇を抑え、2型糖尿病リスクの低下に繋がりやすくなります。負荷や強度ばかりに目が行きがちですが、運動そのものが糖尿病の発症を防ぐために効果的です。

ウォーキング

無理に運動の時間を確保しなくても、仕事や通勤などで身体活動量が多い場合は、その習慣が糖尿病リスクの低減に繋がります。「いつもよりも一駅手前で降りて歩く」「階段を使ってみる」など、意識的に体を動かしてみましょう。

歩行時間が1日の30分未満だと、糖尿病を発症するリスクが高まります。
日ごろから歩くことを心がけ、休日はリフレッシュも兼ねて
ウォーキングに出かけるなどがお勧めです。

当院の運動指導

当院の2階に併設している専用のジムにて、理学療法士によるマンツーマンの運動指導を行っております。患者様一人ひとりのペースに合わせ、最適なプログラムを進めていくことで、無理なく効果に繋げられるように配慮しております。
「受診と一緒に」でも、「運動指導のみ」も可能です。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
※事前にお電話でのご予約が必須です。

フットケアについて

糖尿病により血糖値が高い状態が続くと、神経障害や動脈硬化による血流障害のリスクが高まります。また、免疫力も低下しやすく、感染症の発症にも注意が必要です。
放置しておくと、潰瘍が出来たり、場合によっては足を切断しなくてはならなくなります。
特に靴ずれや巻き爪、足裏のタコやウオノメなどの傷口の治りが遅く、化膿するときもあります。化膿を放置すると傷口に潰瘍が出来て悪化し、最悪の場合は足の切断も検討しなければいけなくなります。
当院ではフットケアを通じて、足に起こる病変の重症化を防ぐ治療のご案内が可能です。

ご自身の足の状態をセルフチェック

  • 巻き爪になっていないか
  • タコやウオノメ、水虫はないか
  • 痛みやしびれなどの知覚障害はないか
  • 足の形が不自然に変形していないか
  • 浮腫みや腫れがないか
  • 悪臭はしないか

もし1つでも当てはまる場合は、当クリニックの担当医・もしくは担当スタッフまでご相談ください。

主な糖尿病のフットケア

足を日々観察する

靴ずれや巻き爪、足裏のタコやウオノメなど、傷がないか足を観察してみましょう。もし何かの傷があり、なかなか治らない場合は、出来るだけ早くご相談ください。

足に合ったフットウェア

足にかかる負担を減らすためにも、足のサイズに合わせた靴を履きましょう。かかとがフィットし、靴の中でつま先を動かせるゆとりがあるサイズ感が適しています。また、靴を履くときは靴下を必ず履き、水虫やケガを防ぎましょう。

入浴後の保湿

入浴時は、足や足の指の間もボディーソープで丁寧に洗いましょう。また、乾燥を防ぐためにも、入浴後は5分以内を目安にクリームなどを用いた保湿ケアがオススメです。くれぐれも乾燥には注意しましょう。

正しく爪を切る

視力の低下などによりご自身で爪切りが難しい場合は、当クリニックにご相談ください。フットケアでは、爪切りにも対応しております。間違った爪切りは、痛みや出血などを引き起こす恐れがあります。足先を傷つけないように注意しましょう。

「自分は大丈夫」と思っていても、知らないうちに悪化してしまいます。
足の血の流れが悪いと、より進行しやすくなりますので、
正しいケアを知り、日ごろから予防しましょう。

当院のフットケア

フットケア専用の部屋を設けておりますので、人目を気にせずケアを受けていただくことが可能です。専門知識を持ったスタッフが、ご自宅でのケア方法など、患者様のライフスタイルに合わせてご提案いたしますので、気になることや、ご不明点などございましたら、お気軽にご相談ください。「受診と一緒に」でも、「フットケアのみ」も可能です。詳細については、受付までお気軽にお問い合わせください。
※事前に、お電話でのご予約が必須です。